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昨年は地上設置型モデルに代わる有利で経済的な代替手段として、水上太陽光発電に関するニュースが多く駆け巡りました。水上太陽光発電事業は、太陽光発電エネルギーが主流になるであろう未来への移行を加速させる可能性の高い手段の1つとして考えられています。

2018年10月に世界銀行とシンガポール太陽光エネルギー研究所(SERIS)によって発行された「Where Sun Meets Water」というレポートでは、水上太陽光発電の世界的な導入容量は1.1GWと報告されています。太陽光エネルギーセクターの成長を促進するため、世界の太陽光発電市場は利用率が低い「水面」に太陽光パネルを設置するという考えに目覚め始めていますが、水上太陽光発電の波をリードしているのは依然としてアジアの地域です。

稼働している水上太陽光発電プロジェクトの容量と場所をより正確に把握するため、そしてソーラーアセットマネジメントアジア2019カンファレンスの開催準備のため、ソーラープラザは稼働中の水上太陽光発電プロジェクトを調査しTOP100のリストを作成し、分析しました。


稼働中の水上太陽光発電プロジェクトTOP10

順位 発電所名 / 貯水池・池名 規模 (kWp) 所在地 稼働時期 フローティングシステム
1 安徽省 鉱山地盤沈下地域 40000.00 中国 * * *
2 安徽省 鉱山地盤沈下地域 20000.00 中国 * * *
3 千葉 · 山倉水上メガソーラー発電所 13700.00 日本 * * *
4 Pei County(沛県) 9982.00 中国 * * *
5 川島太陽と自然のめぐみソーラーパーク 7550.00 日本 * * *
6 Jining GCL 6776.00 中国 * * *
7 広谷池水上太陽光発電所 6800.00 日本 * * *
8 クイーン・エリザベスII世・貯水池 6338.00 イギリス * * *
9 Cheongpung池 3000.00 韓国 * * *
10 Otae 貯水池 3000.00 韓国 * * *

*F.O. = 「すべてのリストを見る」をクリックしフォームを入力すると閲覧できます

上のインタラクティブマップは、日本の水上太陽光発電プロジェクトTOP10をマッピングしたものです。


TOP100リストからみる ープロジェクトはどこに所在しているのか?

図1.TOP100水上太陽光発電プロジェクト - 国別導入容量

TOP100リストにおける水上太陽光発電プロジェクトの累積容量は246MW以上に達し、その内50%以上が日本に所在しています。日本以外で水上太陽光発電のプロジェクトが「ホット」な市場は中国、韓国、イギリスおよび台湾です。(図 1 参照)

前述の国々に設置されているプロジェクトの総容量は244.6MWであり、TOP100リスト中の99%を占めています。また、TOP100内にあるプロジェクトの大部分は貯水池に設置されています。

図2:上位5か国における水上太陽光発電プロジェクトの容量とプロジェクト数の比較

上記で上げた5つの主要市場をさらに深く掘り下げてみると(図 2)、中国における稼働済みの水上太陽光発電プロジェクトの容量は日本の稼働済みプロジェクト総容量の半分以上になります。しかし、プロジェクトの数がこの違いに影響を与えているわけではありません。例えば韓国はプロジェクト数で見れば中国のおよそ2倍ですが、総容量でみれば中国の28%です。中国では安徽省に世界で1番目と2番目に大きい水上太陽光発電所があり、この2つだけで累積容量が60MWになります。ただ、2020年に完成すると予想されている、韓国の102.5MWの水上太陽光発電プロジェクトが稼働した場合、この景観は大きく変わるでしょう。


TOP100リストからみるー日本の水上太陽光発電市場

図3.日本のTOP5フローティングシステムプロバイダー

図2を見てもわかるように、TOP100リスト中73のプロジェクトが日本に所在しており、リスト内の総容量の50%以上を占めています。日本の市場だけにフォーカスしてみると、TOP100のうち、43%以上のプロジェクトが兵庫県にあります。その理由の1つとして、兵庫県が日本一多くのため池を保有していることが挙げられます。兵庫県によれば37,759ヶ所以上のため池があります 。またこの地域では様々な再生可能エネルギーを生成するための方法を積極的に追求しているという事実も関連しています。兵庫県の次に、香川県がTOP100中二番目に導入量が多い県になります。 

TOP100中、日本で最大規模の水上太陽光発電プロジェクトは、2018年3月に操業を開始した13.7MWの山倉水上メガソーラー発電所です。一方、最小規模のプロジェクトは愛知県の愛西市にある460 kWの水上太陽光発電所です。

フローティングシステムプロバイダーに関しては、図3を見るとわかるように、Hydrelioフローティングを提供しているフランスのCiel et Terre社が日本の市場をリードしています。

水上太陽光発電を導入する6つの理由

水上太陽光発電を導入することで、以下のような利点があります:

★      十分に活用されていない貯水池の水面を、お金を得ることができる池に変える
★      土地取得に関してはコストはゼロである
★      グリッド接続コストの削減と既存インフラへのアクセスが向上する
★      水固有の蒸発時の冷却特性により、発電量と運用効率が向上する
★      藻類の成長を抑える
★      トラッキングシステムがないことによるプラント負荷率(PFL)の改善

水上太陽光発電のパフォーマンスに影響を与える主な考慮事項

水上太陽光発電の設計上の特徴として際立っているポイントは、地上設置型のシステムのように、支柱を地面に打ち込む必要がないことです。アレイを連結させ、水面に押し出すようにして浮かべます。しかし、シンプルではない点として、フロートを安定させた状態に保つためのアンカリングシステムが必要になります。水底が深ければ深いほど、CAPEXは高くなります。

インバーターに関しては、プロジェクトによりますが集中型とストリング型のいずれかを配置することが可能です。DCケーブルやACケーブルについては、申し分のない耐候性を備えている必要があります。これは通常のケーブルであったり、ブイによって持ち上げられていたり、または防水タイプのコンジットにまたは防水タイプのコンジットに収容されていたりします。

設計に関してさらに考慮すべき点として、水上太陽光発電所は激しいハリケーンや台風によって引き起こされる最大の予想負荷ケースに耐えることができる必要があります。このような自然災害を予想しなければ、2017年の大阪狭山のプロジェクトで起きたケースのようにフロートがめくりあがり、ソーラーパネルが損傷する可能性があります。(下記写真参照)。

それ以外の注意点としては、システム設計の安定性が欠如しているために起こる、マイクロクラックによる発電量の減少や、プロジェクトにに使用される材質の安全性です。水上太陽光発電所を構成する材質は海面に置かれた場合を想定し塩水に耐性がある必要がありますが、それだけでなく、材質は完全に無毒である必要があります。


最後に、水上太陽光発電プロジェクトの維持に関して、地上型と最も違う点は言うまでもなく水面、言い換えれば水に帰着します。水の湿度と温度は植物の生産に悪影響を及ぼす可能性があるため、しっかりとモニタリングをする必要があります。また、水面から水分が蒸発すると霧が発生しソーラーパネルに入る光量が減少するため、システムの出力が低下します。もう一つの懸念はプロジェクトが所在する地域の気候です。例えば、暑い気候の地域にある水は動物や植物にとってのオアシスです。それらの動植物がフロートの上や下に集まる影響を考慮しなければなりません。

2019年5月30~31日に東京で開催される第5回「ソーラーアセットマネジメントアジア」では、フローティングシステムの発電量や効率、劣化に関する詳細、そして日本における水上太陽光発電事業の利点や課題などについて深く掘り下げ、議論します。

運用段階の太陽光発電資産の最適化というテーマに焦点を当てた「ソーラーアセットマネジメント」のカンファレンスは、アセットマネジメントとO&M全体にわたる業界の様子を見ることができ、知識を学び共有し、ネットワーキングをする機会が集まったユニークな場です。

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